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EU懐疑派が伸長
先日行われた欧州議会選の開票結果によると、どうやら各国のEU懐疑派が躍進したようです。どうやら全体の30%ほどの勢力を手にしたようなので十分発言力がある存在になったと言えるでしょう。
EU懐疑派の一例としてはフランスの極右政党が挙げられるでしょう。そう、あのルペン党首の政党です。その政党が欧州議会選で第一党となりました。大統領選挙ではマクロン大統領との争いに破れたルペン党首ですが、今回は逆に良い結果を残すことができました。
イタリアでも極右政党が第一党となりました。従来ならば『危険思想』と扱われていたポピュリズム政党がこうして躍進したことを考えるとEU内部でもEUに否定的な人々が増えているという事実は間違いないでしょう。
親EU派の中道派は後退してしまった
反EU派が躍進する一方、親EU派であり中道右派・中道左派は後退してしまいました。これら二つの勢力を足しても欧州議会の過半数に満たないとされています。
一応親EU派全体としては過半数を保ったようですが、今後は親EU派以外の会派とも協力しながら議題を採決していくことになるでしょう。そうなると当然極右政党とも協力をしなければならず、移民や経済政策などで綱引きをすることになりそうです。
また実は今回の議会選では前回よりも投票率が上がったそうです。皮肉にも極右政党が勢力を伸ばすことで人々の選挙への意識が高まり、投票率の向上につながったのかもしれません。
今後EUはどうなるのか
極右勢力が伸長したとは言え全体の3割ほど。中道親EU派全体に比べればまだまだです。そのためEUがいきなりこれまでの様相から様変わりしたり、空中分解を始めたりするようなことはないでしょう。
しかし懸念すべきはEU懐疑派がここまで勢力を伸ばした要因です。EU自体に対して不満がある有権者が増えているというのもまた事実のはず。その事実から目を背けてそうした有権者と向き合おうとしなければ今後もEU懐疑派は勢力を伸ばし続けていくでしょう。
そうしたらいつかは極右勢力などの反EU派が過半数近くの勢力を手に入れる日が来るかもしれません。そうなるとEUの存続自体が危ぶまれます。欧州地域に安定を保つためにもEUには有権者の不満を和らげ、EUの存続につながるように努力してほしいですね。
以上、今回の記事は「欧州議会選。EU懐疑派が躍進する。中道派は後退」でした。
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