韓国、GSOMIAを破棄。対立は安全保障面にまで影響

韓国がGSOMIAを破棄することを決定

韓国政府はGSOMIAを破棄することを決定したという報道がありました。このGSOMIAとは軍事情報保護協定と訳されるもので、これがあると締結した国同士が相手国から手に入れた情報を漏らさないようにするというものです。

日本と韓国の間では主に北朝鮮によるミサイル発射の際に関係していました。日韓の間で重要な軍事時協定であり、これが破棄されるということは非常に重大な事態です。

日本政府はもちろん今回の韓国の対応に反対していますし、アメリカ政府もまた韓国に対して失望したと強い言葉で非難をしています。日韓の間の対立が政治や経済を通り越して遂に安全保障面にまで影響を及ぼしたという意味では看過できない状況と言えます。

GSOMIAはどう役立ってきたのか

ところで、このGSOMIAとはこれまでどう役に立ってきたのでしょうか。日韓関係においては主に北朝鮮が発射したミサイルの情報を互いに知るために活用されてきたと言われています。

発射直後の様子は日本からでは捉えきれないため、韓国側からの情報提供が必要でした。逆にミサイルが日本海付近などに着弾した場合は韓国はその様子を知ることが出来ないため、日本が情報を融通したという状況のようです。

GSOMIAとはあくまでも情報漏えいを防ぐという協定です。しかし、漏洩の恐れがないのならば互いに重要な軍事情報を教え合うことが出来るということなので非常に重要な協定なわけですね。逆に言えばその信頼関係が崩れてしまったことが今回の事態を招いたとも言えるかもしれません。

喜ぶのは北朝鮮

韓国がGSOMIAを破棄することで喜ぶのは北朝鮮です。当然ですね。これまではミサイル発射の情報を詳しく分析されていたわけですが、GSOMIA破棄によってそれが難しくなります。となると脅しの効果もあがるかもしれません。

一応、アメリカを介して情報提供があると思われますがそれでは即応性に欠けます。ミサイル情報が手に入るのが遅くて迎撃が間に合わず、日本に着弾したら……と考えると心配になりますね。

また、今回の韓国の行動は日韓関係に大きな罅が入っていることを示すものでもあります。そうなると日米韓で協力して東アジアの平和を守ろうというアメリカの考えも実現が難しくなります。アメリカと対立している中国やロシアからすればおもわずほくそ笑んでしまう状況ではないでしょうか。

政治による対立が経済や軍事にまで影響するとこのような状況すらもたらしてしまいます。何か取り返しのつかない事態が起きる前に日韓が再び良好な仲になれることを祈っています。

以上、今回の記事は「韓国、GSOMIAを破棄。対立は安全保障面にまで影響」でした。